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 秋から冬にかけて松山市中心部に現れるカラスの大群。今年も市役所周辺で、夕暮れ時に大挙して飛び交う姿が目につくようになった。フンやごみあさりの被害を減らそうと、市は2年前からタカを飛ばして追い払う実証実験を続けるが、抜本的な対策は「市民の正しいごみ出し」だという。

 夕闇が迫る10月下旬の午後5時半。6階建ての松山市役所別館の屋上に一人の男性が上がった。腕には1羽のタカ。市からの依頼を受けて大阪市から来た鷹匠(たかじょう)の安井寛(ゆたか)さん(49)と、ハリスホークの粋(すい)(8)だ。

 数百メートル先の松山城周辺ではカラスの群れが飛び交い、周辺のビルの屋上や鉄塔にも、びっしり。その様子を観察していた安井さんが、粋を空に放った。

 粋が数十メートル先の建物の屋根にとまると、周りにいたカラスたちが、やや高く野太い声で大騒ぎしながら上空を旋回。しばらくすると四散していった。粋を飛ばすこと、7、8回。約10分後には周囲のカラスは、ほぼいなくなった。

 安井さんと粋のコンビは2年前から、10月末~翌年1月末の夕方や早朝、隔週1回のペースで市役所や大街道周辺など市中心部で、カラスを追っ払ってきた。

 夕方の活動は、松山城の城山の森をねぐらとするハシブトガラスやハシボソガラスが、森へ帰る前に街中で集合するのを追い払うため。早朝は、飲食店から出たごみをあさろうとするカラスを追い払う。「街がタカの縄張りだと認識させ、立ち退かせます」

 しかし、敵もさるもの。「カラスは粋のことを覚えている。粋を見て、以前より早く姿を消すようになった」と、安井さんは言う。

 市環境モデル都市推進課によると、ハシブトとハシボソの2種類のカラスは、餌となる生ごみを狙って街中に出没する。安井さんは「餌がなければ街に寄りつかず、山へ帰る」と指摘。同課の担当者は「事業者はごみ袋を大型バケツに入れて出したり、家庭ごみは鳥よけネットをしっかりかけたり。そうしてカラスの餌を絶つようにしてほしい」と呼びかける。

 担当者をさらに悩ませるのが、毎年11月末にユーラシア大陸から飛来するミヤマガラスだ。翌年1月末ごろまで、数千羽単位で市中心部の電線をねぐらにし、フンの被害をもたらす。

 同課は10月末、カラスが警戒する鳴き声を収録した音源データを市のホームページで公開し、市民がカラスを追い払うのに活用できるようにした。ただ、追い払っても別の地域に移動するだけで、抜本的な解決にはならないうえ、「カラスはとても賢いので、音声にも慣れてしまう可能性がある」。

 市のカラス対策は、農作物に被害が出た場合を除いて捕獲せず、追い払いを基本に据える。大事なのはやはり、カラスを呼び寄せないごみの出し方だという。

富山では条例を制定

 他都市も、対応を模索している…

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