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 開票が続く米大統領選で、南西部アリゾナ州をどのように扱うか、米メディアの間で判断が分かれている。AP通信などは「民主党のバイデン氏が勝利確実」と報じているが、CNNや主要テレビ局は「まだ勝者が分からない」として、共和党のトランプ大統領が獲得する可能性を残している。選挙結果を見通す上で用いている、調査が異なることが影響している可能性もある。

 大統領選は、全米の各州などに割り当てられた計538人の「選挙人」のうち、過半数の270人を獲得した方が勝利する。アリゾナ州の場合は、州内で1票でも多く獲得した候補が11人の選挙人を得る。

 ワシントン・ポストによると、米東部時間3日午後11時20分(日本時間4日午後1時20分)に、FOXニュースが「バイデン氏が勝利」と速報。続いて、AP通信も4日午前2時50分、バイデン氏が勝利するとした。しかし、CNNと3大テレビネットワーク(ABC、CBS、NBC)は4日深夜になっても、判断をしていない。

 FOXニュースはトランプ氏に近いだけに、トランプ陣営は同局とAPの判断に反発し、撤回するよう求めている。しかし、AP通信は「開票が80%ほど進んだ時点で、バイデン氏が5ポイント、約13万票の差をつけており、開票が続くマリコパ郡(州都フェニックス周辺)を含めて考慮すると、トランプ氏が追いつく見通しはない」としている。

 米メディアは16年大統領選まで共同で出口調査を行っていたが、今回はAP通信が提供する有権者調査を利用するメディアと、エジソン・リサーチによる出口調査を使うメディアに分かれている。これまで、「バイデン氏勝利」と判断したメディアはいずれもAP通信の調査を活用しており、FOXニュースなどのほかに米公共ラジオNPRや公共放送PBSなどが含まれる。一方、CNNなどはエジソン・リサーチのデータを用いており、これが影響している可能性もある。

 伝統的に共和党が強い同州では、開票が現在も進んでいる。5日午前8時の時点で得票率はバイデン氏50・5%、トランプ氏48・1%で、差は約7万票とトランプ氏が追い上げている。(ワシントン=金成隆一)