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 日本学術会議の会員候補6人が任命拒否された問題で、菅義偉首相は5日の参院予算委員会で任命拒否の経緯をめぐり、「推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった者が生じた」と述べた。任命には政府が求める事前調整が必要との認識を示したとも受け取れる発言だ。野党は、学術会議の独立性を壊すとして国会で追及を強める構えだ。

 自民党の二之湯智氏から任命過程の説明を求められ、首相は「以前は学術会議が正式の推薦名簿を提出する前に、様々な意見交換の中で、内閣府の事務局などと学術会議会長との間で一定の調整が行われていた」とも語った。

 日本学術会議法は、学術会議の推薦に基づいて、首相が会員を任命すると規定。会議の独立性を保つため、政府は過去の国会で、首相は推薦された候補を「形式的任命」すると答弁していた。

 しかし、安倍政権時代の前回2017年の会員交代をめぐっては、学術会議は官邸側に求められ、選考の最終段階で候補に残る6人を加えた111人の名簿を事前に示していた。

 野党側は、こうした事前調整を政治の人事介入とみていた。首相のこの日の発言は、事前調整を学術会議側に求めたことを認めたうえに、事前調整がなければ推薦通りには任命しないという考えを示したものだ。

 この発言を野党側は問題視。立憲民主党の森ゆうこ氏は朝日新聞の取材に「独立性をもってできた学術会議に政治が介入し、それを堂々とやろうとする宣言だ」と述べた。