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 京都大学の研究チームが9千人あまりの健康データを分析したところ、コーヒーをよく飲む人は、あまり飲まない人と比べて、眼圧が低いことがわかった。コーヒーと眼圧の因果関係はわかっておらず予防や治療目的には勧められないが、緑内障など目の病気を心配してコーヒーを控える必要はなさそうだ。

 コーヒーは近年、心疾患や一部のがんといった病気のリスクを下げるのではないかといった研究成果が報告されている。一方、コーヒーに含まれるカフェインには血圧を高める作用がある。眼科を受診した患者が、コーヒーは目に悪いかどうか気にしたことから今回の研究が始まった。

 研究チームは目の硬さを示す眼圧に注目した。値が高いと緑内障といった目の病気のリスクが高まるという。眼圧を下げる効果がある目薬もあり、眼圧は基本的に低い方が望ましいとされるが、コーヒーと眼圧の関係はわかっていなかった。

 京大は滋賀県長浜市の市民約1万人の生活習慣や身体データを記録して追跡する調査「長浜スタディ」に2007年から取り組んでいる。今回の研究では、調査参加者のうち、眼圧を下げる目薬を使っている緑内障の患者ではない9418人を対象に、コーヒーを飲む頻度と、健康診断で測った眼圧の関係を調べた。飲む頻度は問診で聞き、インスタントやレギュラー、缶コーヒーといったコーヒーの種類は問わなかった。

 すると、コーヒーを1日3回以上飲む人は、1回未満の人と比べて眼圧が低く、その差は眼圧の平均値の約3%だった。飲む回数が1回や2回と増えるにつれて、眼圧はだんだんと低くなる傾向があった。

 今回の研究成果では、コーヒーに眼圧を下げる効果があるかまではわからない。また、緑内障と指摘されたことがある人とない人を比べると、コーヒーを飲む量に明らかな差はみられなかった。さらに、緑内障は通常値の眼圧で発症することもあり、予防や治療目的でコーヒーを飲むことは勧められないとしている。

 チームの京大の三宅正裕特定助教(眼科)は「今後、追跡調査で緑内障の発症率などもわかってくるので、さらに研究を続けたい」と話している。

 研究成果は6日、米国眼科学会の関係誌に掲載された。(野中良祐