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 学生寮と教職員宿舎、高齢者向け住宅とシェアハウスなどが集まる「大阪大学グローバルビレッジ津雲台」が大阪府吹田市津雲台5丁目にオープンした。全国最大級の大学の寮だ。学生がさまざまな人とともに暮らし、交流を通して学ぶことをめざす。

 「文化、言語、ジェンダーを超えた多様性を育む環境を充実させ、グローバルな大学へ進化していく」。ビレッジのオープンを祝う10月14日の式典で、阪大の西尾章治郎総長は述べた。

 ビレッジは老朽化した教職員宿舎の跡地に建てられた。阪急・大阪モノレール山田駅から徒歩数分の丘陵地にある。阪大の各キャンパスまで30分圏内だ。パナソニックホームズ(豊中市)を代表とする計3社が事業主体で、総事業費は約123億円。民間資金を使うPFI方式を採用した。

 最大300個室がある学生寮は10月から入居が始まった。新型コロナウイルスの影響で想定より少ないが、来春までに日本人36人、留学生94人が入る予定だ。5~9人のユニットごとに居間や台所、シャワー、トイレを共用する。共同浴場もある。

 西アフリカ・ギニアのサイモン・ポゴラムさん(27)も入居した一人。同ユニットの日本人とタイ人学生から洗濯機などの使い方を教わり、一緒に食料品を買いに行っている。まだ日本語を話せないが、「2人のおかげで想像よりずっとずっと楽しい」。

 日本語を勉強した後、大学院経済学研究科修士課程に進む予定で、母国の農業ビジネスを発展させるため、日本の経営者から学びたいという。

 人と人が交じり合う空間を充実させたのがビレッジの特徴だ。最大400世帯の教職員宿舎とつながっており、本棚があるラウンジや日本文化を感じられる和室を共用する。扉や仕切りのないコミュニティスペースでは、学生と教職員がともに研究課題や異文化を学ぶ催しを開いていく。

 ビレッジ内には、民間のサービス付き高齢者向け住宅(55室)やシェアハウス(85室)、賃貸マンション(99室)もできた。クリニックやレストラン、阪大の研究を生かした運動施設なども併設している。健康や食育といったテーマで周辺の住民らとの交流を深めることも想定されている。

 阪大ハウジング課の祖父江智香(そぶえともか)・専門職員は「いろいろな人が交流することで新しいアイデアが生み出される。学生が共創できる環境をつくりたい」と話す。

 阪大は来年4月、箕面市にも同様のグローバルビレッジを開く。(花房吾早子)

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