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 中国遼寧省の撫順市で、1930年代に日本の南満州鉄道(満鉄)が建設し、市の工業遺産とされていた発電所の建物が誤って取り壊されたことがわかった。地元の郷土史家らの指摘で解体工事は中断されたが、かつて多くの日本人も働いた歴史を持つ建物の大部分は失われ、一部の壁や屋根だけが残る状態となった。

 取り壊されたのは、2011年に操業を停止した火力発電所にある「第2工場」。薄茶色の外壁に格子窓が配された特徴的な外観で、かつて満鉄が経営権を握った露天掘り炭鉱のそばに位置した。

 満鉄や発電所の資料によると、同工場は炭鉱の電力需要を賄うために1930年代に建てられ、内部に発電機が据えられていた。当時の延べ床面積は約3万平方メートルで日本人が所長を務める「撫順発電所」の中核施設。日本の傀儡(かいらい)国家だった旧満州国(1932~45年)の工業化を支え、終戦後も中国最大の火力発電所の施設として利用された。

 市政府は18年、発電所にある満鉄時代の建物や設備を「日本帝国主義の経済収奪と撫順軍民の抵抗の歴史を記録する」「撫順の古くからの工業基地としての輝きを象徴する」などとして、市の保護すべき工業遺産に指定していた。

 だが、工業遺産でない施設の解…

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