滋賀県庁の態勢に問題か 国宝の修理めぐる官製談合 

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新谷千布美 鈴木洋和
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 滋賀県が発注した竹生島(ちくぶしま)の宝厳寺(ほうごんじ)唐門(からもん)(国宝)などの保存修理工事をめぐる官製談合事件で、官製談合防止法違反などの罪に問われた県文化財保護課主査、尾山義高被告(41)と、公契約関係競売入札妨害の罪に問われた長浜市の橋本工務店元社長、橋本市郎被告(61)の判決公判が6日、大津地裁であった。大森直子裁判官は尾山被告に懲役1年8カ月執行猶予3年(求刑懲役2年)、橋本被告に懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。

 判決などによると、工事は2013年6月に始まり、今年4月に終了した。この期間に県は工事を複数回に分けて発注したが、尾山被告はこのうち18、19年度の一般競争入札2件で、上限にあたる予定価格に近い金額を橋本被告に電話で事前に伝えた。その結果、橋本工務店はこの2件を計約2億円で落札した。

 尾山被告が今回の工事の担当になったのは16年度から。落札するために予定価格を尋ねた橋本被告に対し、尾山被告は業務が多忙で入札を円滑にして工事を遅らせたくないと思い、答えたという。金銭のやりとりは無かった。

 大森裁判官は「私利私欲のない動機や経緯に酌むべき一面があるとしても、公務員の立場と責務を軽視する姿勢は強い非難を免れない」と断じた。

 弁護人によると、両被告ともに控訴しない方針。尾山被告は判決が確定すると失職するが、県は失職を待たずに処分を検討する。(新谷千布美)

保存修理の担当者2人だけ、相次いだ減刑嘆願

 県の文化財行政を揺るがせた談合の発覚から4カ月半。この間、県庁内で文化財の保存修復業務をほぼ一手に引き受けていた尾山被告の減刑と復職を求める嘆願書が、有名寺社や関係者らから計約570通寄せられた。県の不十分な態勢が、事件につながった可能性も浮上した。

 県内の国宝・重要文化財の建…

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