[PR]

 道内で新型コロナウイルスの感染者数が増え続けている。7日の道内の感染者は187人で、過去最多だった5日の1・5倍と、これまでを大幅に上回った。札幌市では1日の感染確認が初めて100人を超えた。鈴木直道知事は警戒ステージ3への引き上げを決定。札幌市の秋元克広市長と記者会見し、ススキノ地区の飲食店での深夜の営業自粛などを求めたが、先行きは見通せない。

 北海道と札幌、旭川、小樽の各市は7日、新型コロナウイルスの感染者を新たに187人確認したと発表した。道内で100人を超えるのは3日連続。札幌市の確認分では過去最多の141人(居住地非公表の9人を含む)の感染が判明した。道内の感染者は延べ3868人となった。

 札幌市内の建設会社では新たなクラスター(感染者集団)が発生し、30~70代の社員計12人が感染した。市立札幌病院では20代と40代の女性看護師の感染が分かった。

 市内の学校でも感染が広がっている。中央小で児童1人、平岡小で児童2人、栄中で生徒1人、百合が原小で20代の女性教職員、豊成養護学校で50代の女性給食調理員の感染が分かった。

 ススキノ地区の接待を伴う飲食店での感染者は前日より9店舗、20人増え、計114店舗、418人となった。

 道の発表分では空知総合振興局、石狩振興局、渡島総合振興局、オホーツク総合振興局、十勝総合振興局管内などで計35人の感染が判明。空知管内で発生したグループホームのクラスターは1人増えて、計6人となった。道教育委員会は江別市の江別高で生徒が1人感染し、9日から当面の間は学級閉鎖の措置を取ると発表した。

 旭川市では吉田病院(263床)でクラスターが発生し、入院患者6人、看護師3人の感染が分かった。いずれも同じ病棟に入院、勤務していた。市などが現地本部を設け、感染経路の調査や感染拡大防止に取り組む。9日以降の外来診療は検討中という。(伊沢健司、本田大次郎、芳垣文子)

     ◇

 感染拡大の「震源地」と名指しされたススキノ地区。午後10時以降の酒類の提供自粛を求められた飲食店は、感染対策に理解を示しつつも、これまで以上に客足が落ち込むことへ不安を募らせている。

 すすきの交差点近くの居酒屋「北海料理 古艪帆来(ころぽっくる)」は9日から、午前0時の閉店時間を午後10時に早めることを決めた。酒類を提供しない営業は現実的ではないからだ。運営会社の佐々木和宏専務取締役(49)は「感染が広がった以上、仕方がない。ススキノに人が寄りつかなくなってしまう」と話す。

 札幌市は10~11月に市内で発生した29件のクラスターのうち、約7割の20件が「接待を伴う飲食店など」というデータを提示。他の飲食店や家庭にさらに感染が広がる恐れがあるとして協力を要請する。ただ、この店では接待は伴わず、検温や消毒、利用席の制限などの対策を行ってきた。佐々木さんは「飲食店では感染は広がっていない。接待を伴う店と同じように扱われるのは少し残念だ」。

 「ススキノ地区」の線引きをめぐっても明暗が分かれた。要請の対象は札幌市中央区の「南3条」から南側で、同じ狸(たぬき)小路商店街でも北側は対象外となる。

 ぎりぎりで対象地区に入ったレストラン「果実倶楽部818」(南3西3)は、7日から閉店時間を午後10時に早めた。これまでも座席の間隔を空けるなどの予防策を徹底してきたが、感染が拡大した今月に入り客足が激減しているという。シェフの小笠原悠基さん(31)は「営業時間の短縮よりも、今以上に街から人がいなくなることの方が心配だ」と漏らす。(天野彩、原田達矢、長崎潤一郎)

 《鈴木直道知事と札幌市の秋元克広市長の記者会見の主な質問と回答》

 ――営業時間短縮の要請をススキノ地区に限定した理由は。

 (鈴木知事)「札幌市の疫学調査や国の分科会でも、地域を限定した営業時間短縮が有効という結果が出ている。感染が拡大するススキノで深夜の飲酒を3週間制限させてもらい、11月中に感染を抑えていく」

 ――警戒ステージ3で当初想定していた、不要不急の外出自粛措置や往来の自粛をなぜ求めないのか。

 (鈴木知事)「今は人の往来を止める段階ではない。感染対策と経済活動の両立を進めるなかで、感染リスクが高い場面での対策を強化することが必要だ」

 ――ステージ3への引き上げが遅かったのでは。

 (鈴木知事)「専門家とも相談して判断した。営業時間短縮は強い措置であるため、慎重に対応した」

 ――要請に従わない場合の対応は。

 (秋元市長)「事業者にはポスティングなどで周知していくが、罰則はない。ススキノという名前を守る取り組みだとご理解いただきたい」

 ――協力した店舗への財政支援はどう行うのか。

 (秋元市長)「事業者へ20万円を予定している。市と道で半額ずつ負担していくため道に協力を求めた」

 ――3週間の集中対策期間後にどのような結果を期待するか。

 (鈴木知事)「急激に新規感染者数が増えている。この期間で、減少の兆しが見えるところまで成果を上げたいと思っている」

 (秋元市長)「大阪や名古屋では営業時間短縮が感染抑制につながった。北海道でも感染者の減少に向けたきっかけとしたい」