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 全国有数の生産量を誇る静岡缶詰が今秋にも宇宙デビューを飾る。ホテイフーズ(静岡市清水区)が製造する「やきとり缶詰」が、国際宇宙ステーション(ISS)での食事メニューに採用された。庶民に愛され続けるB級グルメの逸品は、無重力空間でも存在感を示しそうだ。

 宇宙でやきとり缶を最初に食べるのは、11月中旬に打ち上げ予定の新型民間宇宙船「クルードラゴン」の搭乗員たちだ。メンバーには日本人宇宙飛行士野口聡一さんも含まれる。

 一行はISSで半年ほど過ごす。そこでの食事メニューに、ホテイのやきとり缶が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認証を得て仲間入りした。

 やきとり缶は、今年で販売50年を迎える同社のロングセラーだ。水野拓真・商品企画課長は「記念すべき年に当社の看板商品が宇宙食に選ばれ、大変名誉なことです」と声を弾ませる。

 国内産の食肉缶詰が宇宙日本食に指定されたのは初めてのこと。開発はさぞかし苦労の連続だったと思いきや、「実は、中身は市販品とほとんど同じなんです」と同社開発課長の天野孝子さん(53)は明かす。

 JAXAからは、①缶を開けても液が飛び散らない②ロケット発射時の圧力に耐えられる③プラスマイナス50度の環境下でも品質が変わらない――などの条件提示があった。それらは既存の品でことごとくクリアでき、平均より短い、申請から2年7カ月で認証に至ったという。

 「大変だったといえば、会社の実験室で1年半あまり、それこそカンヅメになって、内容物の品質データを記録し続けたことですね」と天野さんは振り返る。地上で食べているものと同じクオリティーを宇宙でも提供できる。「会社にとってこれ以上ない喜びですし、自信になりました」

 味選びでは、主力のタレ味と、宇宙では味覚が鈍くなり刺激のある味が好まれることから柚子(ゆず)こしょうの2味に決め、50個ほどをすでにJAXAに納めた。補給用ロケットで宇宙まで運ばれる予定だ。

 県内に本社を置く企業の製品が宇宙食に採用されたことについて、業界団体の静岡缶詰協会は「快挙」と受け止める。岡村剛専務理事は「ふだん食べている缶詰がそのまま宇宙へ行く。静岡缶詰の安心安全さが立証された」と高く評価した。

 常に命の危険と隣り合わせの宇宙空間にあって、「食」は飛行士のストレスや緊張を和らげる役割を担う。野口さんは会見で「焼き鳥や唐揚げなどB級グルメが楽しみ」と笑みを見せた。やきとりといえば一杯やりたいところだが、宇宙船内はアルコール禁止。おかずとして食べることになる。

 「小さな企業でもお手伝いでき…

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