ライチョウ会議が開幕 保護・繁殖作戦を紹介 岐阜

近藤幸夫
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 絶滅の恐れがある国の特別天然記念物・ライチョウの研究成果や保護に関して、最新の取り組みなどを紹介する「第19回ライチョウ会議ぎふ大会」が7日、岐阜市岐阜大学で始まった。岐阜や長野、新潟などライチョウが生息する各県の研究者や行政の担当者、市民ら約250人が集まった。

 岐阜県内での開催は2012年の第13回大会(岐阜県高山市)以来、3回目。会議は8日まで。

 7日は「ライチョウシンポジウム」が開かれた。大会会長の中村浩志・信州大名誉教授が「ライチョウの生態と未来」について基調講演をした。

 ライチョウは本州中部の高山帯に生息。1980年代の調査で、国内の生息数は約3千羽と推測されたが、最近の調査では約1700羽まで減少。中村さんは「このままではライチョウは確実に絶滅してしまう」と感じたという。

 生息数減少の大きな原因として、里山のキツネやテン、カラスなどの天敵が高山帯に侵入してライチョウを捕食していることをあげた。また、北限の生息地の火打山(新潟県)では、温暖化の影響でイネ科植物が繁茂して、生息環境が縮小したことなどがわかった。こうした状況を受けて環境省は、2015年からライチョウの保護増殖事業を開始。中村さんは「ライチョウは信号機にたとえると現在は赤信号。これを人の手で黄信号にするのが目標」と説明した。

 また、環境省や日本動物園水族館協会などの専門家たちが「ライチョウ保全の最前線」をテーマに報告した。環境省信越自然環境事務所の小林篤専門官が、半世紀前に絶滅したとされる中央アルプスでの「個体群復活作戦」について紹介。今夏、長野・岐阜県境の北アルプス乗鞍岳からヘリコプターで移送した3家族計19羽を放鳥。その後の調査で母鳥、雛(ひな)とも無事に生存。来年の繁殖の期待が高まったという。

 このほか、15、16年、乗鞍岳から移送した有精卵を動物園などの施設で人工孵化(ふか)して育雛(いくすう)に成功。毎年繁殖を続けており、野生復帰への足がかりとなることが報告された。8日は「ライチョウフォーラム」があり、生息地での取り組みや野生復帰に向けた研究などについて、専門家による講演会が開かれる。(近藤幸夫)