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 一見、ガスマスクを思わせる形に驚かされるが、名古屋大発のベンチャー「フレンドマイクローブ」(名古屋市千種区)が開発したウイルス感染のリスクを下げる高性能の立体マスクだ。新型コロナウイルスの感染が再び拡大の兆しを見せる中、量産態勢を整え、ネット通販アマゾンで販売を始めた。基礎疾患を持つ人や介護現場で働く人たちなど感染防止を切実に求める人たちに届けたいという。

 同社は名大大学院工学研究科の堀克敏教授の持つバイオ関連技術を事業化するために2017年に設立。コロナ感染拡大に合わせて、今年5月からマスク開発に取り組んだ。

 このマスクは「3次元マスク θ(シータ)」。プラスチック製で、顔に接するベースパーツとフィルター不織布を挟み込むカップの2部品に分かれる。

 最大の特徴は、3Dプリンターを活用して作られたベースパーツだ。つけてみると、普通のマスクなら鼻の横にできる隙間がほとんど無い。顔に密着して鼻骨からあごまですっぽり覆われる感じだ。冬には眼鏡のくもりも防げる。

 開発担当の蟹江純一さん(29)によると「不織布フィルター自体は高性能なので、マスクの信頼性の差は顔との隙間があるか無いかで生まれる」と話す。試作したマスクを20人以上につけてもらって密着度や肌触りなどを改良し、日本人に合う形状に仕上げた。70~80℃の湯につけると柔らかくなり、形は微調整できる。

 ほかにもアイデアは満載だ。

 フィルター不織布(縦10センチ横7センチ)を挟むカップとベースパーツの取り外しは磁石でワンタッチ、不織布は何度でも取り換え可能で、マスク本体はセッケンなどで洗える。不織布は共同開発した三井化学製で、99%のウイルスを通さないとしている。

 マスクのプラスチック素材は生分解性のポリ乳酸で、廃棄後は微生物によって分解される。装着用のバンドは耳掛け用と頭掛け用があり、外した時はそのまま首にかけられる。

 8月に試作品ができた際、改良と量産化のためにクラウドファンディングを募ると、5日間で目標64万円の10倍の集金を達成。寄付者に製品を送って意見を反映し、さらに改良した。

 完成した量産型は、サイズは普通(縦約11センチ)と小さめ(同約10センチ)の2種、カップの色はブルー、グリーン、ピンク、白の4色。マスク本体に不織布150回分とバンド2種のセットで5千円(税抜き)で、10月27日からアマゾンで一般販売を始めた。マスク本体は1年間は使用可能で、毎日不織布を取り換えた場合、1日当たりのコストは約21・5円という。

 同社代表取締役の西田克彦さん(74)は「最初は見た目に抵抗を感じるかもしれないが、大切な人を守るためや仕事で切実に感染防止を求める人のニーズに応えたい」と話す。すでに介護施設からの大量注文もあり、ほかに医療現場や不特定多数の客に接するタクシー運転手や鉄道の駅従業員などもターゲットに考えている。問い合わせはフレンドマイクローブ(mask@friendmicrobe.co.jp)へ。(小西正人)