群馬、埼玉両県警は、出入国管理法やと畜場法違反の容疑で逮捕したベトナム人の元技能実習生らが、家畜や果物の大量窃盗事件に関与していなかったか調べている。帰国した元実習生に日本での生活の実態や事件について聞いた。技能実習生のいまを追った連載の第2回。
ベトナムに帰国できた人にとっても、当時の生活はつらい思い出だ。日本に約3年滞在し、昨年帰国した元技能実習生のソン・フィ・ロンさん(25)は、川魚をとって飢えをしのいだ日々を振り返った。
拡大するインタビューに応じるファン・タン・コンさん(右)。左はソン・フィ・ロンさん=2020年2月5日、ベトナムのバリア・ブンタウ省、内田光撮影
2018年、ソンさんは食べ物もなく、塩や砂糖をなめて空腹をごまかした。我慢できなくなると、川で魚をとったり、畑に捨てられた腐ったキュウリやトマトを拾ったりして食べた。「つらくて、ナイフで命を絶とうと何度も考えた」
豚肉を違法に解体した容疑などでベトナム人の技能実習生らが逮捕された事件について、「悪いことで、僕ならやらない。でも、ひどい会社に入り、食べ物もなくおなかがすいて仕方なくやってしまったのではないか」と推測する。
ソンさんは16年に壁紙を張る技術などを働きながら身につける技能実習生として来日したが、仙台市の建設会社でやらされたのは、建物の解体や重い荷物運び、田植えなど全く違う仕事だった。暴力や暴言も振るわれた。
朝5時半には出発して現場に行き、帰りは深夜。だが、出勤簿には「午前8時から午後5時まで」と書くように言われた。残業代も払われず、睡眠時間が2時間の時もあった。
8階建てのビルの現場で作業す…
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