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 車に踏まれても潰れないほど頑丈な体を持つ――。「鋼鉄をまとう」とも言われているある甲虫の秘密を、東京農工大やカリフォルニア大アーバイン校などのチームが明らかにした。骨格の強さは、他の虫にない特殊な構造がカギになっていた。論文が英科学誌ネイチャーに掲載された。

 その虫は、北米の西海岸に主に生息するコブゴミムシダマシ(体長約3センチ、重さ約0・5グラム)。飛ぶことができず、オークの木に生息する。実際に車に踏まれても死なず、標本のためにピンを突き刺すにも苦労するため、「アイアンクラッド・ビートル」(鋼鉄で武装した甲虫)と現地で呼ばれている。

自分の39000倍の重さでも平気

 研究チームが虫の骨格の強度を測ったところ、自分の3万9千倍の重さに耐えられることがわかった。ヒト(体重約60キロ)に換算すると、400頭のゾウに踏まれても耐えられる骨格を持つことに匹敵する。世界にはカブトムシやテントウムシなど35万種以上の甲虫がいるが、確認されている中で最も頑丈だった。

 骨格の構造を詳細に調べると、たんぱく質などの繊維の束が何層にも積み重なった層状構造でできていた。力がかかった時にわずかに反り返って力を分散させ、一気に壊れることを防いでいた。たんぱく質の割合も他の甲虫より多く、柔軟性に富んだ組成になっているらしい。

背中に秘密「パズルのピース」

 最大の秘密は、背面の中央部にあった。左右に分かれている骨格の断面図を観察すると左右のつなぎ目に、ジグソーパズルのピースのようにかみ合う凹凸構造が2対見つかった。力を加えられてもつなぎとめておく仕組みで、通常、甲虫はこうした凹凸を1対しか持たないという。

 骨格の樹脂模型を作って調べた…

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