[PR]

 造船中堅のサノヤスホールディングス(大阪市)は9日、造船事業を同業の新来島どっく(東京都千代田区)に売却すると発表した。1911年から続く祖業だが、近年は業績が低迷し、新型コロナウイルスの影響が決定打となった。

 子会社のサノヤス造船の全株式を来年2月に譲渡する。売却額は100万円だが、40億円の借入金も引き継ぐ。協力会社を含め約1千人いる従業員の雇用は維持されるという。

 サノヤスは、穀物などを運ぶ「ばら積み船」を強みとしてきたが、近年は中国や韓国勢との競争が激しくなり、造船事業の2020年3月期の売上高は299億円、営業損益は27億円の赤字だった。コロナの影響で、新しい商談も進めることができなくなり、春ごろから売却の検討を進めてきたという。

 上田孝社長は「造船業界の長期低迷は避けられない。技術開発などでスケールメリットを出す必要があると考えた」と話した。今後は、産業用・建設用の機械装置や遊園地施設の製造などの事業を育てていくという。

 同社によると、19年の造船竣工(しゅんこう)量でサノヤスは国内11位、新来島は9位という。(西尾邦明)