国家の結束促す「敗北宣言」拒否 落選してもトランプ流

有料記事アメリカ大統領選2020

園田耕司=ワシントン 杉崎慎弥
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 米大統領選ではバイデン前副大統領(77)の当選確実が米メディアで報じられたが、トランプ大統領(74)は2日経っても敗北を認めていない。法廷闘争などで徹底抗戦を続ける構えのトランプ陣営から「敗北宣言」が出る見通しが立たず、米国の大統領選で1世紀以上続いてきた伝統が覆されかねない状況だ。

 米大統領選で負けた候補の敗北宣言は、120年以上の歴史がある。1896年、ウィリアム・マッキンリー(第25代大統領)に敗れたウィリアム・ジェニングス・ブライアンが祝意の電報を送ったことが始まりだ。その後、ラジオやテレビへと媒体は変わっても、敗者が落選を受け入れることで選挙戦に幕を下ろしてきた。

 津田塾大学の西川賢教授(米国政治)は「敗北宣言は法的に定められているわけでないが、米国の民主主義と選挙制度の正当性を守るための紳士協定といえる」と語る。敗者が納得して負けを認めることで、国を二分して選挙で争っていた各陣営の敵対心を緩和すると共に、これまでの対立を白紙に戻して結束を促すという役割を担ってきたという。

 2008年にオバマ前大統領…

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