普通に食べられる幸せ 人生変えた自宅での血液透析

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阿部彰芳
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 腎臓の機能が落ち、正常の1割以下になると、血液中の老廃物や余分な水分を取り除く透析が欠かせない。だが、大半の人が医療機関で受けている血液透析は「生命を維持する最低限の治療」だ。自宅での血液透析だとより多くの回数が可能で、寿命が延び、生活の質も上がる効果が得られている。だが、様々なハードルがあり、利用者は透析患者の0・2%にとどまる。

 15年前に末期腎不全になった千葉県の60代女性は、週3回通院し、1回4時間の透析を受ける生活が7年ほど続いた。透析が終わる度に激しいだるさに襲われ、帰宅後もしばらく動けなかった。

 腎臓は血液中の老廃物や体内の余分な水を取り除いて尿として外に出し、カリウム、ナトリウムといった電解質の量を調節する。この役割を代行するのが透析だ。ただ、24時間働く腎臓と違い、通院で受ける透析は1~2日の間隔があく。

 口にした水は体にたまり、むくみや高血圧を引き起こし、心臓に負担をかける。たまった水が多いほど透析で取り除く量が増え、危険な低血圧や倦怠(けんたい)感が起きやすくなる。血液中のリンが増えると骨のもろさや動脈硬化を招き、カリウムが多いと心臓が止まる恐れもある。

 こうした問題を避けるため、女性は水分や食事の制限を続けた。食べたものは毎週、管理栄養士にチェックしてもらい、血液検査の結果と合わせて献立を考える日々だった。

「透析のための人生」から解放

 だが、自宅で毎日3~4時間、透析するようになり、透析後のだるさは消えた。食事もおおむね普通の人と同じようにでき、「週3回の通院もなくなり、透析のための人生ではなく、人生の中に透析がある形になった。生活の質が上がった」と話す。

 糖尿病や高血圧などで腎臓の…

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