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 大規模災害の際に医薬品がどれくらい必要になるかを予測しようと、佐賀大学が国からの運営費交付金約2億8千万円を使って導入した医療情報システムが、一度も使われていないことが会計検査院の調べで分かった。佐賀大は今後の運用も断念し、2014年3月に納品されたシステムは全て無駄になった。

 この事業は、佐賀大医学部が、九州の他の6県にある国立大学から医療データを集め、医薬品の需要を予測するというものだった。災害時に、被災地で医薬品を円滑に供給することが狙いで、システムは15年4月に本格運用する計画だった。

 しかし、システムへのデータの集約には各大学が持つデータの変換作業が必要で、佐賀大はその要員を確保できなかった。システムはデータが全くない「空っぽ」の状態が続き、検査院は「不当な支出にあたる」と指摘した。

 今後の利用を断念した理由として、佐賀大は朝日新聞の取材に対し、「機器の耐用年数が過ぎ、セキュリティーの担保も難しいため」などと説明。国庫への返納については、「今後、文部科学省と調整が行われると考えている」とした。