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 毎月第2日曜の朝にボランティアたちが取り組んでいる姫路城(兵庫県姫路市)の清掃活動「おしろのそうじ会」が8日、開始以来29年余で350回目を達成した。「お城の掃除は心のそうじ」を合言葉に、コツコツ重ねてきた活動は、美しい姫路城の環境づくりに一役買っている。

 前日の雨もやんで晴れ上がった8日午前7時、子どもも含めた数十人のボランティアが城内の市立動物園前に集まった。呼びかけ人が用意した45リットルサイズのゴミ袋などを手に城周辺に散らばり、午前8時ごろまで空き缶やペットボトルなどのゴミを集めた。この日は途中の出入りもあり、延べ100人ほどが参加した。

 コロナ禍で観光客が大幅に減っている影響で、拾われたゴミは半分ほど入ったゴミ袋が数個程度。参加者も「思ったより少なかった。でもゴミがいっぱいより、よいこと」と安心した様子を見せた。

 この活動は、姫路市の活性化などに取り組むNPO法人「コムサロン21」が1991年9月から市民に呼びかけて始まり、ボランティアの集まり「姫路城清掃会」として続けている。最初は数人の活動だったが徐々に人数が増え、最近は市内外から毎回60~70人が参加。個人のほか、企業などの団体参加も増えてきた。

 誰でも参加でき、毎回朝7時に集合。1時間ほどかけて城の三の丸広場や周辺道路、公園などに落ちているゴミを拾い集める。雨の日でも、コロナ禍でも密にならない人数で活動し、途切れたことがないという。

 この間、93年12月には姫路城が世界文化遺産になり観光客も増加。市によると、「平成の大修理」が完了した2015年度には、大天守など有料エリアの入城者が過去最多の約286万7千人を記録。18年度にはインバウンド(訪日外国人客)が過去最多の38万6千人にのぼった。

 コムサロン21の前川裕司理事長は「世界遺産認定後は意識も高まりゴミのポイ捨ては減ったが、茂みの中など見えないところに捨てられるようになった。ゴミが落ちていれば『自分もいいだろう』と捨てる人も出てくる。そこにゴミを拾い続ける意義がある」と語る。理事で清掃会リーダーの有元純さんは「子どもの参加も増えた。ボランティアに参加することでポイ捨てしない大人に育ってほしい」と話した。

 12月は、13日午前7時から予定され、市立動物園前に集合する。(伊藤周)

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