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 米アップルは10日午前(日本時間11日未明)、パソコン「マック」の心臓部に当たるチップを15年ぶりに自社製に切り替えた新製品の「マックブック・エア」や「マックブック・プロ」など新たな3機種を発表した。処理速度を向上させる一方、消費電力を大幅に減らしたことで、バッテリーの持ちが長くなったのが特徴だ。

 「マックブック・エア」は、処理速度が旧世代の3・5倍になり、省電力化に伴って熱を逃がすためのファンがなくなり、静音性が増した。米国での価格は999ドル(日本では税抜き10万4800円)から。「マックブック・プロ」は処理速度が従来の2・8倍になり、バッテリーがビデオ再生時に従来の倍の20時間持つようになる。米国では1299ドル(同13万4800円)から。エアとプロはいずれもこれまでの価格を据え置いた。

 また、同時に発表された、ディスプレーがついていない「マック・ミニ」の新製品は米国では699ドル(同7万2800円)からで、従来よりも100ドル値下げした。

 3新機種はいずれも日米などで来週から発売する。

 アップルは今年6月、CPU(中央演算処理装置)を、従来のインテル社製から、英アーム社の設計をベースにした自社製に切り替えると打ち出し、年内に自社製チップ搭載の新製品を投入すると説明していた。10日に発表した自社製チップ「M1(エムワン)」は、従来はパソコン内で別々の場所にあったCPUやメモリーなどの関連チップを1カ所に集約。回路が効率化されたことなどで、「いまのパソコンのピーク時のパフォーマンスを、4分の1の消費電力で実現した」(同社幹部)という。

 チップの内製化は、アップルが2005年、自社で共同開発していた「パワーPC」から、インテル製への切り替えを打ち出して以来の大きな動きだ。アップルは、iPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)のチップを自社製にしており、マックについても同様の対応にすることで、iPhone向けのアプリをマック上でも直接動かせるようになる。世界に15億台以上あるアップル機器の間の連携性が向上し、同社にとっては利用者の囲い込みを強めることができる。(サンフランシスコ=尾形聡彦)