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 茨城県つくば市の宇宙ベンチャー企業「ワープスペース」が開発した超小型人工衛星が、地球軌道上に投入されることになった。今月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する野口聡一飛行士が、ISSからの放出を担当する可能性が高い。同社は宇宙ビジネスの機運を高めようと、野口さんが搭乗する宇宙船打ち上げに合わせ、15日朝にオンラインイベントを開く。

 人工衛星が軌道投入されれば、県内の民間企業としては初めてとなる。

 ワープスペースは、超小型人工衛星づくりに取り組む筑波大の学生らの活動が元になって2016年に起業された。衛星からのデータを受信する設備や衛星の部品の開発・販売などを手がける。各地で打ち上げが相次ぐ低軌道の観測衛星や気象衛星などを運用する事業者を対象に、世界初となる宇宙空間での高速光通信ネットワークのサービス提供を目指している。

 野口さんはISSに半年ほど滞在し、日本実験棟「きぼう」で様々な活動を行う。ワープスペースが関係するのは、来年2、3月ごろに見込まれる超小型衛星の放出ミッション。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が新たに開発した放出装置を試すが、その機会に併せて打ち出してもらう。

 依頼しているのは10センチの立方体の超小型通信衛星(重さ約1キロ)で、約2年間地球を周回する。データの送受信などの実証実験を行うが、機器の開発から関係機関との交渉など、打ち上げに至る一連の手順を確かめるのが参加した主な狙いという。

 ワープスペースCEOの常間地(つねまち)悟さん(32)は「(衛星を軌道上に投入する)茨城初の企業になるのは名誉なこと。今回の実証をステップに本格的な事業に移っていきたい」と話す。22年以降、衛星のデータを高速でやりとりする複数の「中継衛星」を順次打ち上げて、宇宙空間通信サービスを始める予定だ。

 野口飛行士は、米宇宙企業スペースXが開発した有人宇宙船クルードラゴンに搭乗。日本時間の15日午前9時49分に米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられる予定だ。

 当日のイベントは午前9時半から約1時間。ロケット打ち上げの公式ライブ映像を背景に映しながら、近年盛んになっている民間の宇宙開発などについて語り合う。出演するのは、県と市の担当者のほか、ワープスペース最高技術責任者の永田晃大(あきひろ)さん、同じくつくば市の宇宙ベンチャー「Yspace」CEOの川崎吾一さんら。

 視聴は無料だが、特設サイト(https://peatix.com/event/1692711/別ウインドウで開きます)で事前申し込みが必要。打ち上げが延期される場合は、イベントも順延する。(庄司直樹)

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