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 教室で心肺停止になった男児を教員6人のチームワークで救った宮崎市立江南小学校。心肺蘇生法の訓練を毎年続けてきたことが重大な局面で実を結んだ。教員の1人は過去にも救命活動に携わった経験があり、「落ち着くことの重要性を再認識した」と語る。同小には、県内外から激励のメッセージが届いている。

 男児は入学前から心臓に疾患を抱えている。4年前、応急手当普及員の資格を持つ吉瀬恵子養護教諭が赴任。男児に「もしも」のことがあった場合を想定した訓練の開催を提案し、以後、毎年実施している。

 直近では今年6月にあり、教職員46人のうち約30人が参加した。男児が授業中に心臓発作を起こしたという設定。担任の別府貴裕教諭が異変を知らせ、教員たちが一人一役で119番通報やAEDの操作、他の児童の誘導を練習した。

 実際に男児が教室で倒れたのは9月24日午後0時25分ごろ。このとき、6人が「まさに練習通り」に瞬時に役割を理解し、救急隊に引き渡すまでの約15分間に懸命の救助活動を続けた。吉瀬養護教諭は「私が現場に到着したとき、すでに男児に電極パッドが装着されていた。素晴らしいチームワークだった」と評価する。

 戸惑う場面もあった。学校に設置されたAEDは、訓練時に消防から借りたものと機種が違った。隈本加津美教諭は「電極パッドのコードが最初から本体に接続されているタイプだった。落ち着いていればわかることだが、急いでいてすぐに判断がつかなかった」と振り返った。

 男児に心臓マッサージを施した田上政宏講師は昨年2月ごろ、宮崎市内の海岸で一緒にサーフィンをしていた知人がおぼれて心肺停止になる状況に居合わせた。その際も心臓マッサージをしたという。

 「救急隊からは正しい対応だったと言われたが、知人には後遺症が残ったと聞く。冷静になればもっとできることがあったはず。今回は冷静になることを心がけ、119番をほかの人に任せて心臓マッサージに専念する判断ができた」

 10日付本紙宮崎版や朝日新聞デジタルで救助の模様を報じた後、江南小には激励のメッセージが県内外から10件ほど届いた。4歳児を持つ東京の男性からは「先生方の勇気ある適切な対応に胸が熱くなりました」。復興庁の職員からも「迅速で落ち着いた行動が倒れられた子の命を救ったのだと思います」。

 助かった男児の保護者からも感謝の言葉とともに「(息子の通う学校が)本当に誇らしいです」とのメールが寄せられたという。(高橋健人)

教諭ら当時を振り返る

●119番通報をし、児童を担架…

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