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 日本のグラフィックデザイン界の先駆者で、関西を拠点に活動した今竹七郎(1905~2000)の没後20年を記念した回顧展が、西宮市大谷記念美術館(兵庫県)で開かれている。デザイン原画や商品パッケージ、ポスター、絵画など約400点で、創作の足跡をたどる。

 神戸に生まれた今竹は、モダンな都市文化を吸収して育つ。戦前は神戸大丸や大阪高島屋で店内装飾、催事構成、広告などを担当。バウハウスなど海外の動向も研究し、雑誌に広告・デザイン論を連載した。

 戦後はデザインスタジオを運営し、多くの有名企業のアートディレクターを務めた。共和の輪ゴム「オーバンド」のパッケージや関西電力のシンボルマークなど今なお人の目に触れるデザインは多い。

 正式な美術教育は受けなかったが、戦前から春陽会などの絵画展に出品。広告デザインに絵画的要素を取り入れた。ポスター「大毎フェア・ランド」は、下から見上げた空中ブランコをする女性と上から見下ろした会場全景を対比させ、躍動的な画面を演出する。

 会場には、機知に富み、どこか温かみのある商品デザインに交じり、モナリザをモチーフに大胆にデフォルメした作品や幾何学的な抽象画も並ぶ。

 12月6日まで。水曜休館。一般千円など。同館(0798・33・0164)。(池田洋一郎)