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 農村民泊(農泊)を全国に先駆けて始めたNPO法人「安心院町グリーンツーリズム研究会」(大分県宇佐市)の宮田静一会長(71)が、今年度の観光庁長官表彰を受けた。コロナ禍で農泊も大量のキャンセルが出ており、宮田さんは「苦境にある全国の農泊農家へのエールをもらった」と話す。

 観光庁長官表彰は12回目。魅力ある観光地づくりや発信をした団体や個人が対象で、宮田さんと「瀬戸内国際芸術祭実行委員会」、「NPO法人みちのくトレイルクラブ」の2団体が表彰を受けた。過去には竹田市を拠点に活動する和太鼓グループ「DRUM TAO」や歌手の福山雅治さん、レディー・ガガさんらも表彰されている。

 農泊は観光客が農村に宿泊し、地元の家庭料理や農業体験などを通じて交流する。ブドウ農家の宮田さんは1996年、農家と観光客をつなぐ団体としてグリーンツーリズム研究会を設立。参加する農家は同年の8戸から約50戸に増え、昨年は修学旅行の中学生を中心に約7900人が利用した。

 農泊の目的は農家などに安定した収入をもたらすことと、農村への理解を広げることだ。宮田さんは「子どもたちに農村のファンになってもらい、再び訪れてもらう。それが農村が生き残る道」という。

 農家での宿泊と交流を組み合わせた「安心院方式」と呼ばれる農泊は全国に広がり、宮田さんによると約3千戸が参加している。宮田さんらは昨年、岩手県遠野市の農泊推進団体などと協力して「未来ある村 日本農泊連合」を設立し、ノウハウを共有して農泊の拡大にも力を注いでいる。

 ただ、コロナ禍はそんな農泊農家に大きな打撃を与えている。安心院町では今年、約7千人のキャンセルがあった。宮田さんは「表彰をきっかけに、苦境にある農泊が注目されれば」と、利用者が農村に戻ってくることを願っている。(大畠正吾)

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