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 ブランド農作物の海外流出を防ぐことを狙う種苗法改正案が12日、衆院農林水産委員会で実質審議入りした。政府・与党は17日にも委員会での採決をめざす。ただ、農家の生産活動を制限する問題点が指摘されている。俳優が懸念を表明した結果、審議見送りになった経緯もあり、法案の行方が注目される。

 改正案は、日本国内で開発され、国に登録された高級果実などの種や苗木の海外への無断持ち出しを禁じる。新品種の開発者が栽培地域を指定できるようになる。高級ブドウのシャインマスカットが中国で無許可生産され問題化した。

 農家が登録品種から種や苗木をとり、翌年の栽培に使う「自家増殖」を制限する。自家増殖は現在は自由にできるが、改正案では開発者の許諾が必要になる。「許諾料の支払いが零細農家の負担になる」との懸念が出ている。

 改正案は今年の通常国会に提出されたが、俳優・柴咲コウさんがSNSで懸念を表明したことで注目され審議見送りとなった。野党・立憲民主党内には賛否両論があったが、自家増殖の制限強化を見直す修正案を提出することを決めた。(山下龍一)