斉藤寛子
東京都国立市の「スターバックスコーヒーnonowa国立店」を初めて訪れた人は、ちょっと驚く。23人の店員(パートナー)のうち18人に聴覚障害があり、ここは音声よりも手話や筆談が優位な空間だからだ。国内初の試みだ。いつもと変わらないスタバで、異なるコミュニケーションの楽しさに出会ってきた。
店を訪れると、カウンター前には数人の客が並んでいた。店が入る商業施設全体にBGMが流れているが、店員の声は聞こえない。「今日のコーヒーはグアテマラです。ごゆっくりと!」。店員は注文の品を出すと、黒いボードにさらさらっと文字を書いて示した。客は黙ったまま指でOKサイン。店員は、手刀を切る動作で「ありがとう」と手話で伝え、ほほえんだ。
拡大する手話やジェスチャーなどを交えて注文を受けるスタッフ=2020年9月9日午後0時21分、東京都国立市、北村玲奈撮影
手話は、指・腕の動きや表情で情報を伝える言語だ。そのため店内は手話がよく見えるように、照明を明るくし、カウンターは低めで表情が映える白い人造大理石でつくられている。
店員同士は手話でやりとりする…
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