ナマハゲ、今年は叫ばない? 中止を迫られる東北の奇祭

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野城千穂 大西英正
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 冬の伝統行事がコロナ禍で揺れている。大みそかに異形の姿で家々を訪れる秋田県の「男鹿のナマハゲ」は、飛沫(ひまつ)感染を防ぐため「泣く子はいねが」と叫ばないことを決めた地区もある。「奇祭」と呼ばれる東北の他の行事も、悩ましい判断を迫られている。

 ナマハゲは神の使いや化身とされ、「泣く子はいねが」「怠け者はいねが」と荒々しく家の中を探し回る。それぞれの家はお膳を用意してもてなし、新年の幸福を願う。2018年にユネスコ無形文化遺産に登録された。行事は男鹿市内の町内や集落ごとで実施され、市文化スポーツ課によると、昨年は市内148町内のうち89町内でナマハゲ行事があった。

写真・図版
昨年の大みそかのナマハゲ行事。酒や食事でナマハゲをもてなす家もある=2019年12月31日午後6時13分、秋田県男鹿市船川港双六、高橋杏璃撮影

 芦沢地区の振興会は10月末、オンラインで話し合い、今年の行事中止を決めた。ナマハゲ歴40年以上の田牧哲会長(61)は「毎年大みそかになるとムズムズして、『どれ、ちょっと(衣装を)着せてみろ』とやりたくなってしまう」というが、今年の出番は無さそうだ。

 中止を説得したのは、同じくナマハゲの担い手である武田泰明さん(41)。「感染のリスクが1%もあったらやっちゃいけない。何かあったら責任が取れない。ナマハゲをやったから感染者が出たとは思われたくない」

 芦沢地区のナマハゲは、かつ…

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