[PR]

 開店4日前に火災に遭った大阪市阿倍野区のパン屋「ブーランジェリー ショー」が13日、当初の予定から半年以上遅れてオープンの日を迎えた。パン職人の父と娘3人が再起し、インターネットで資金を募るクラウドファンディングの仕組みも使った。朝から大勢の客でにぎわった。

 午前9時前、オーナーシェフの川端正悟さん(57)が「ありがとうございます。ようこそお越しいただきました」とあいさつし、オープン。客の中にはクラウドファンディングに参加した人たちの姿も。近くに住む浅野知佐さん(41)と増田佳余さん(36)の姉妹は「火災のこともあり、応援していた。おめでとうと言いたい」と話した。

 正悟さんはパン職人歴38年。兵庫県西宮市でフランチャイズのパン屋を切り盛りしてきたが、独立が長年の夢だった。長女舞美(まみ)さん(27)、次女優里(ゆかり)さん(25)、三女麗奈(れいな)さん(23)の3人に背中を押され、店を持つ決意をした。

 阿倍野区に店を構え、パンの試作も重ね、あとはいよいよ開店という5月5日、近所の火災に巻き込まれた。店は天井が落ち、オーブンなどの調理器具も使えなくなった。

 再開の見通しすら立たなかった火災当日、4人は店のインスタグラムに「まだまだ諦めていません」と書き込んだ。資金面の壁を乗り越えるため挑んだクラウドファンディングでは、目標の5倍以上の1308万円が集まった。焼失した店の近くに新たな物件を借り、内外装を施して一から出直した。

 看板商品は「幸せのアップルパイ」や「贅沢(ぜいたく)生食パン」。開店直後から次々に売れ、接客にあたった舞美さんは「長い間、準備してきて感謝しかない。地域密着でやっていきたい」と話した。

 店は阿倍野区阿倍野筋4の18の5。午前8時から午後7時。休みは今月16日と毎週火曜。(鈴木智之)