拡大する写真・図版点になった「小さなせっけん」。よく見るともう一個さらに小さな点がある。これはなかなか手ごわい相手だぞ。ぴをバックに撮影=本人提供

[PR]

大江千里さんコラム「NY 今を生きる」

大江千里さんがNYでの暮らしをつづります。「小さなせっけん」と格闘する日々です。

 コロナ禍のために家にいる時間が増えて、これまで気にしていなかった小さな生活の景色にも目が向くようになった。旅先のホテルから持ち帰った香りの良い小さなせっけんを使い切ってしまおうと下ろしたけれど、いっこうに減らない。コロナで手洗いの数が増えているはずなのに、この小さなせっけんは手ごわい。そろそろかな? 洗剤やキッチンペーパーはどんどん減る。なのにこのせっけんのヤツなかなか減らずにまだそこにいる。

 元々が4×3センチほどの小さなものなのに持ちが良い。泡立ちが良い。僕もそっちがその気ならと必要以上にムキになって手を洗う。ゴシゴシ。手のひらは良い香りがしてコロナ知らずでいいことずくめだ。

拡大する写真・図版部屋の景色を写しこんでみた。「ここが私の暮らしている場所なの。よろしくね」。そんな声さえ聞こえそうだ。ひええ~=本人提供

 更に泡だちを工夫するとそれに応えてくれるので充実感に満ちてくる。もうそろそろだろう。かなりチビてきた。紙せっけんほどの薄さになり、今日明日手のひらの上で最後の泡となることを想像しちょっぴり切なくなる。もう君はいなくなっちゃうんだなと。

 それでもせっけんは粘り続ける…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら