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 「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場の選定プロセスに応募した北海道寿都(すっつ)町で13日、臨時町議会が開かれ、応募への賛否を問う住民投票条例案が否決された。応募に異議を唱える町民の直接請求で提案されたが、片岡春雄町長が反対し、町議の過半数も反対した。町長が応募に前のめりな中、住民投票で町民の意思を示す道は断たれた。(伊沢健司、原田達矢、佐久間泰雄)

 寿都町で核のごみの問題が持ち上がったのは8月中旬。片岡町長が突然、選定プロセスの第1段階の「文献調査」に応募したい意向を明かし、「『核のごみ』の議論に一石を投じる」と前向きな発言を繰り返した。2年間の文献調査で得られる20億円の交付金への期待も示した。住民説明会では拙速な応募への反対が相次いだが、片岡町長は「肌感覚で町民の賛成はわかる」とし、10月9日に応募手続きを行った。

 これに対し、水産加工業者らが9月に結成した「子どもたちに核のゴミのない寿都を! 町民の会」は、住民投票で賛否を明確にしたうえで応募を決めることを求めた。片岡町長が応募手続きを進めるなか、町内で署名を集め、10月23日に地方自治法上の「直接請求」を実施した。

 請求を受けて片岡町長は今月11日に臨時町議会を招集し、反対意見を付けたうえで条例案を提案。13日に審議と採決が行われた。同日午前の審議の冒頭、町民の会の共同代表で美容師の三木信香さん(49)は「応募は町の将来を方向付ける重要な政策。肌感覚ではなく、民意を確認する必要がある」と訴えた。

否決の理由、述べずに閉会

 町議9人のうち4人が条例案への賛成意見を表明。唯一、反対意見を述べた木村真男町議は「町長の下した決断に対し民意を把握するのは整合性を欠く」と述べた。採決は賛否が4対4の同数。最終的に小西正尚議長が否決し、理由は述べずに閉会した。審議時間は1時間30分余りだった。審議の傍聴はできたが、撮影や録画は許されなかった。

 実は片岡町長は今年2月以降、非公開の町議会全員協議会では応募に関心があるとの発言を繰り返していた。町議からそれをただす質問も出ていた。だが、本会議のような開かれた場での議論はこの日が初めて。それでも議論は短時間で終わった。町民の会は全協の議論の内容を知ろうと議事録公開を求めているが、町議会は拒んでいる。住民投票に詳しい佛教大の上田道明教授(地方自治論)は「町民の側に立ってチェックすべき議会が役割を果たしていない。誰の方を向いて仕事をしているのか。地方議会の弱さを凝縮しているようだ」と指摘する。

町長のリコール、考える町民も

 13日に議会で意見を述べた「…

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