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 静岡市葵区鷹匠に今秋、小さな書店がオープンした。カフェやギャラリーを併設した新刊書店「HiBARIBOOKS&COFFEE」で、店主は7月に閉店した戸田書店静岡本店の元書店員、太田原由明さん(51)。活字離れが進み、書店の閉店も相次ぐ中、「街に本屋の明かりを残したい」と地域に根ざした本屋を目指す。

 3月、当時勤めていた戸田書店静岡本店の閉店を知らされた。「本屋が遠い存在になってしまっている」。街の本屋を自分の手で残そうと決めた。

 小説や雑誌の新刊の他、詩集や短歌、外国文学を並べる独自の品ぞろえが特徴だ。約120平方メートルの土地の約半分が書店。オープン当初は7千冊ほどだった蔵書も約1カ月で9千冊ほどに増えた。

 店の奥にはカフェと県内の若手アーティストの作品を並べるギャラリーを併設する。戸田書店時代、イベント担当として絵本の原画展などを企画してきた。「文化的なコミュニティー空間を提供することも本屋の役割」と語る。

 街の人たちの期待の大きさは想像以上だった。1日に200人ほどが出入りし、「本屋が出来てうれしい」と何度も声を掛けられる。街の本屋が生き残ることは簡単ではない。それでも、必要として買い続けてくれる客の存在を信じて「気軽に本の話を出来る場」を提供し続ける。(広瀬萌恵)

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