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 えもいわれぬ表情だった。勝ち誇ったような笑みというべきか。1987年3月、東京・本郷の東京大にある小柴昌俊さんの研究室を訪ねたときのことだ。小柴グループが超新星から届いた素粒子「ニュートリノ」を観測したとする記者会見を終えた直後だった。

 観測に用いたカミオカンデは、もともと陽子崩壊という現象を見つけようとして、岐阜県神岡鉱山の地下につくった装置だった。そんな経緯を念頭に、「思いもよらない成果では?」と私は尋ねた。少々無礼な若手記者の質問だったが、小柴さんは余裕の表情を崩さなかった。

 立ち上がると、隣室からほこりをかぶった書類を持ってきた。カミオカンデ建設の予算獲得のために作成した文書だ。装置の狙いが数項目列挙されており、そこには「超新星からのニュートリノ」もしっかり書き込まれていた。

 二重三重の保険をかける。標的…

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