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 香川県三豊市で13日、今季の県内4例目となる鳥インフルエンザが確認された。1週間余りの間に立て続けに発生する異常事態。鶏の殺処分などにあたる県職員たちに心身の負担が重くのしかかっている。

 5日に国内の家畜で今季初めての発生が確認された三豊市の養鶏場では、県職員延べ1千人以上が動員され、約32万羽を殺処分した。部署に関係なく招集され、県が災害派遣を要請した自衛隊の隊員らと24時間態勢で作業にあたった。

 「いまでも鶏の鳴き声や暴れる姿が脳裏に焼き付いている」。総務部の男性職員(34)は、殺処分に携わった時の様子を目に涙を浮かべて振り返る。

 殺処分の要員として最初に鳥インフルエンザが確認された養鶏場に派遣された。頭部まで覆う防護服と手袋を二重にし、マスクとゴーグルも着用。手袋や長靴と防護服の隙間は粘着テープでふさいだ。窓のない鶏舎の中は暑く、動くだけで汗が噴き出した。

 大半は感染していない元気な鶏だ。3人1組になり、鶏の脚や羽を手づかみしてケージから1羽ずつ取り出し、プラスチックの大型バケツに移し替えて炭酸ガスを注入する作業を4時間続けた。鶏は激しく鳴き、暴れる。

 「鶏が悪いわけではない。本当にかわいそうで嫌な作業だった。でも早期の収束のために手を止めている時間はなかった」

 県では、鳥インフルエンザの発生に備え、優先的に養鶏場に派遣する職員を毎年度約700人選んでおり、座学と実地で殺処分の方法などを学ぶ防疫研修を実施している。男性職員は12日までに計3回、養鶏場に派遣され、卵の処分や鶏舎の消毒などの作業にもあたった。

 県は養鶏場で作業にあたる県職員に対し、作業前後に医師の問診を受けさせ、体調管理に努めているという。(大野正智)

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