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 介護事業所のデイサービス利用者の共同送迎を、人工知能(AI)を活用して効率化する実証事業を、香川県三豊市が始めた。各事業所で担ってきた送迎業務を市社会福祉協議会に集約し、ダイハツ工業が開発したシステムでルートを最適化。介護職員らの負担軽減や、利用者の利便性向上を図る。

 市によると、デイサービスの送迎は、介護職員が運転も担うことが多く、負担感が強い。運行計画の作成や、車両維持費なども施設の重荷だという。一方、自宅が近くても利用施設が違えば一緒の車には乗れず、ルートが重複するなど、待ち時間や乗車時間が長くなりがちという課題もある。

 これらを解決しようと、市とダイハツは昨年10月、福祉介護分野における運行サービスに関する連携協定を締結。今年10月には市社協とも協定を結び、準備してきた。新しい移動サービスの社会実験をする地域を対象にした経済産業省のモデル事業にも採択された。

 実証は11月末まで。市が事業主体となり、社協が運転手の確保や研修を担当。ダイハツは新たに開発したシステムを無償提供する。送迎対象の登録者を選ぶと、AIが最適なルートを作り、運転手のスマホに表示されるという。

 山本、財田地区の五つの事業所が参加し、1日25人程度の送迎を、普段より1台少ない4台で回す。市全域での本格導入に向けた課題や効果を検証する。順調に進めば、車両が空く日中は買い物や通院の支援も手がける。

 今月2日にあった開始式で、山下昭史市長は「ストレスのない移動が生活を豊かにする。利用者と事業者にとって良い移動をめざし、一つずつ課題を解決したい」と意気込んだ。ダイハツコーポレート本部の谷本敦彦副本部長も「競争ではなく協調で、地域サービスを継続できるよう、支援したい」と話した。

 参加事業所の一つ「ヴィラしのはら」の管理者、大谷雅代さんは「同じ法人が営むデイサービスが向かいにあっても送迎を一緒にできなかった」と振り返り、「知らない利用者が乗り合うことへの不安など、課題もあると思うけれど、取り組みが広がってほしい」と語った。(多知川節子)

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