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 大相撲の元大関で関取最年長の琴奨菊関(36)が、現役を引退する。郷里の福岡県柳川市では、関係者から、引退を惜しみつつもねぎらう声が聞かれた。

 地元で建設業を営む父の菊次一典さん(65)は「今は、寂しい気持ちと、これまでよくやったという気持ちが半々です」と語った。本人からは13日深夜に電話があり、「けがで自分の思う相撲がとれない。引退します」と報告を受けたという。「中学から親元を離れ、相撲しか知らない人生だが、大勢の人に『強いだけでなく、人柄も素晴らしい』と言われるほど、まっすぐに育ってくれた。感謝したい」とねぎらった。

 市内で料亭旅館を営む後援会長の立花寛茂さん(80)は「いつかは現役をやめる時が来るだろうとは思っていたが……。まじめに相撲とも郷里の柳川とも取り組んでくれた。こういう関取はもう出ないのではないか」と語った。

 その言葉通り、琴奨菊関のこれまでの地元に対する貢献は大きい。市の観光大使就任、毎年九州場所後の市役所表敬訪問、市恒例の少年相撲大会へのゲスト参加……。2015年からは本場所1勝ごとに1万円を市へ寄付しており、その額は219万円に上る。

 立花会長は「現役の間、常に郷里を思い、『今の自分があるのは柳川の人々の支援のおかげ』と言っていた。感謝の気持ちでいっぱいだ。今後は後進の指導にあたると思う。引き続き応援します」と話している。(森川愛彦)