拡大する写真・図版選挙前は全米からトランプ支持者が訪れていたという通称「トランプハウス」。「トランプ2020(年)」の大型看板が今も残っていた=13日、ペンシルベニア州ウェストモアランド郡ラトローブ、金成隆一撮影

[PR]

 「やっとトランプ政権を阻止できた。この瞬間を4年間ずっと待ってきた。ようやく熟睡できそうです。世界の強権的な指導者を好み、何かやらかすのではないかと心配でしたから」

 米大統領選で民主党のバイデン前副大統領(77)が、共和党のトランプ大統領(74)を破ったことが確実になってから3日後。ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外で暮らす元炭鉱労働者、ポール・ジマーさん(65)は笑顔で話した。

 長年の民主党支持者。4年前の大統領選では「石炭産業の復活」を掲げ、演台でヘルメットをかぶり、ショベルで石炭を掘るパフォーマンスをしたトランプ氏を支持した元同僚が多い。

 だが、ジマーさんは「トランプは企業側の代弁者に過ぎず、炭鉱労働者の味方ではない。仲間の多くが惑わされていることが悲しい」と首を横に振る。

 「ラストベルト(さびついた工業地帯)」にある同州は、今回も激戦だった。4年前の得票率はトランプ氏48・2%、民主党のクリントン氏47・5%で、今回はバイデン氏49・9%、トランプ氏49・0%だった。バイデン氏とトランプ氏の差は6万票あまりだ。

拡大する写真・図版ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊で見つけた、バイデン氏を支持する看板。バイデン氏は都市部の票を集め、同州で勝利した=11日、金成隆一撮影

 米国は都市部で民主党、地方で共和党が強い。バイデン氏が勝利したのは、都市部周辺の郊外で善戦したからだ。ピッツバーグを含むアレゲニー郡では、クリントン氏の得票率は55・9%だったが、バイデン氏は59・6%まで伸ばした。

 ジマーさんの30代の娘夫婦も今回、トランプ氏支持をやめた。ジマーさんがかけてくれた電話で娘に理由を聞くと、「(民主党の副大統領候補)ハリスに女性初の副大統領になってほしかった」と話し、夫は「トランプは大統領になっても騒がしく、いつからか努めて無視するようになった」と語った。

 都市近郊でのトランプ氏からの離反は他州も同様だ。「連日問題を引き起こす大統領の人格に耐えられない」(ミシガン州の50代白人女性)という具合だ。AP通信による有権者調査では、米国が「間違った方向」に向かっていると答えた人は60%に及び、うち79%がバイデン氏を、18%がトランプ氏を支持した。「正しい方向」とした有権者は39%で、その91%がトランプ氏を支持した。

都市部を離れるとトランプ、トランプ、トランプ…

 だが、ペンシルベニア州でも郊外から地方へと進むと、全く異なる光景が広がる。庭先に残る、支持候補を表明する看板はトランプ、トランプ、トランプ……。同州ベッドフォード郡で運転中に数え始めたが、トランプ氏が100に達した時点で、バイデン氏はゼロ。同郡でのトランプ氏の得票率は83・5%で、前回の82・6%からわずかながら、上積みした。

 ひときわ大きな看板を立てたア…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら