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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、過密な都市部から地方への移住に対する関心の高まりに応えようと、三重県はすでに移住した人たちの暮らしや地域社会との関わりを紹介する動画の配信を始めた。県の担当者は「移住に関心がある人は、いまはネットで情報収集している。具体的な行動につながるよう動画で促したい」と話している。

 動画は「わたしたち三重で暮らしています」と題した1本5分程度のシリーズ企画。動画投稿サイト「YouTube」の県公式チャンネルで視聴できる。9月下旬にスタートした。

 これまで3本を配信。都内から多気町に移り、喫茶店を始めた金川幸雄さん、尾鷲市の地域おこし協力隊員で任期後にそのまま移住した豊田宙也さん、脱サラして大阪から志摩市のイチゴ農家に転身した伊藤敏宏さんを紹介した。年度末まで計10本を配信予定で、県内五つの圏域(北勢・中南勢・伊勢志摩・伊賀・東紀州)それぞれの移住者を紹介するという。

 県によると2015年度124人だった県内への移住者は順調に増え続け、昨年度は384人。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年4~8月の移住者は昨年の同時期よりわずかに減った。さらに今春以降、外出自粛の要請などで、都内にある窓口での対面相談や移住促進イベントは軒並み中止に。県を訪れて移住先候補を下見することもできなくなった。

 こうした状況でも、県がホームページで紹介する「空き家バンク」のアクセス数は高く、担当者は「動けないなか移住情報をネットで探しているようだ」と分析。また、6月から再開した都内の窓口では、相談件数が以前の1・5倍に増えたという。これまで、移住に関心はあっても具体的な行動につながっていなかった人たちの動きを感じ、動画制作を決めたという。

 動画の見どころは、移住後の暮らしぶりや、その土地の雰囲気がわかることだ。近隣の人たちにも動画に登場してもらい、地域社会にどう溶け込んでいったか、普段どう関わっているかを見せている。

 県地域支援課移住促進班の佐川久美子さんは「移住を考えたきっかけや三重に決めた理由は文章でも紹介できますが、移住後の様子は動画ならではの紹介方法です」と期待をかける。

 県によると、移住者は準備期間に1、2年程度費やすパターンが多いという。佐川さんは「コロナが落ち着いたときに三重が移住候補になっているよう促していきたい」と話した。(佐々木洋輔)

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