[PR]

 山梨県立博物館(笛吹市御坂町成田)で開かれている開館15周年記念特別展「甲斐の国のたからもの」が好評だ。近年、文化財指定を受けた約60点を中心に、縄文時代から昭和までの貴重な資料が見られる。コロナ禍で見合わせていた企画展の再開第一弾でもあり、多くの人が訪れている。

 展示は3章立てで構成。近年指定された文化財と、近年収蔵した文化財、人気投票で選んだオススメの展示品の順に見て回る。

 入り口近くの不動明王像は大善寺(甲州市)に伝わる絵で、2013年に県有形文化財に指定された。平安時代の原本を模写して江戸時代に描かれた。縦4メートル、横3メートルをゆうに超える大きさで、迫力ある絵柄と鮮やかな色彩が目を引く。

 大福寺(中央市)の聖観音立像は17年に県有形文化財になった。平安時代の作で、当時の仏教信仰の隆盛を示す。穏やかな顔立ちと繊細に刻まれた衣の表現が印象的だ。

 江戸時代の甲府城下では道祖神祭りが盛大におこなわれ、町内に何百枚もの幕絵を張り巡らせる風習があったという。現存が確認された3点のうち1点が収蔵され、展示されている。幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師の月岡芳年が描いたもので、縦約2メートル、横幅9メートルという大きさ。城下のにぎわいや文化の豊かさを感じさせてくれる。

 近藤暁子学芸員は「博物館がテーマを設定して解説する通常の企画展と違い、いろんな時代の文化財を同時に楽しめるのが今展の特徴です」と話す。

 「縄文土器のすぐ隣に武田晴信(信玄)の書状が置いてある展示会など、めったにない」(森原明広学芸課長)と言う通り、県内の歴史と文化の移り変わりを感じることができる。

 展示品の間隔を空けるなど、新型コロナ対策に注意を払っている。展示品を入れ替えながら12月7日まで続く。火曜休館。(吉沢龍彦)

関連ニュース