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日曜に想う

 アメリカの魂を取り戻す――。次期大統領になるバイデン氏が、選挙の勝利演説で述べた一節である。

 もっとも、多様な背景や記憶を持つ人々が集まって形成した国だけに、胸中に思い描く「魂」も人それぞれだ。

 ちょうど400年前、迫害を逃れて英国から北米大陸に渡ってきたピューリタン(清教徒)に、圧政からの自由を追い求める魂の源流を見いだす人がいるだろう。一方、その前年の1619年にアフリカ人奴隷が上陸して以来、連綿と続いてきた人種差別を清算し、真の平等を目指す理想と努力こそ、米国の魂と信じる人も少なくあるまい。

 バイデン氏は「米国を、再び世界中で尊敬される国にする」と続けた。思い出されるのは、レーガン大統領が演説で好んで用いた「丘の上の輝ける町」という米国の理想像である。

 もとは17世紀の清教徒指導者ウィンスロップが聖書から引いた説教だった。それをレーガン氏は「米国は、共産主義から世界を守る使命を神から与えられ、模範として仰ぎ見られる『町』である」と国民を鼓舞するメッセージに用いた。米ソの冷戦が大詰めを迎えていた頃だ。

「傲慢な優越思想」 当初は不評

 米国を「他国と本質的に異なる…

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