修学旅行中止 広がる代替行事

山田暢史
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、修学旅行の実施を見送る公立学校は埼玉県内でも少なくない。県教委によると、9月時点でさいたま市を除く小中学校などのうちおよそ3分の1にあたる約370校がすでに中止を決めた。中には、別の行事に切り替えて、一生に一度の思い出作りに取り組む学校もある。

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 今月9日、久喜市の鷲宮西中学校では、オンラインによる「リモート修学旅行」があった。同校では例年6月に奈良・京都への修学旅行を実施しているが、今年はコロナ禍でいったん11月に延期。しかし、収束が見通せず、9月に中止を決めた。リモート修学旅行はその代わりとなった。

 3年生約50人が教室でオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使い、奈良・薬師寺の僧侶の法話に耳を傾けた。京都の和菓子を食べるなど普段とは違う学びを楽しんだ。野本悠介さんは「実際に行ってみたかったが、いい経験ができた。コロナが落ち着いたら家族や友人と行ってみたい」。内山真二校長は「子どもたちにとって一生の思い出。やって良かった」と話した。

 久喜市教委によると、今年度は、市内の小中学校34校のうち小学校16校、中学校4校が期間を短くしたり、時期をずらしたりして修学旅行を実施。ほかの学校は鷲宮西中のように中止して代替行事をしたり、日帰り旅行などに切り替えたりしているという。

 こうした対応は、久喜市に限らない。県教委が、さいたま市を除く県内の小中学校など約1千校を対象に調査したところ、9月1日現在で約370校が修学旅行の中止を決めた。その時点ではまだ対応が決まっていない学校もあり、中止とする学校がさらに増えている可能性もある。

 県教委は10月8日付で、さいたま市を除く県内62市町村教委に通知を出し、修学旅行を中止しても可能な限り代替行事を検討するよう促した。

 一方、さいたま市教委は修学旅行を1、2学期は実施しない方針とした。市教委によると、市立小中学校全162校のうち、小学校100校と中学校57校は行き先を変更したり、日数を短くしたりするなどして3学期に行う予定。残る5校は日帰り旅行などの代替案を検討しているという。(山田暢史)