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 自由貿易に逆風が吹きつけるなか、地域的包括的経済連携(RCEP)がまとまった。アジアのメガFTA(自由貿易協定)の誕生に至る曲折は、中国の台頭を受けてアジアで唯一の経済大国ではなくなった日本が、地域で生きる道を探す道行きに重なる。因縁の日中関係は、今後のあり方にも大きな影響を与えそうだ。

拡大する写真・図版新型コロナウイルス禍のなかでも操業を再開したホンダの自動車工場。米国を抜いて世界最大となった中国市場では各国のメーカーがしのぎを削る。RCEPで中国向け自動車部品の関税が下がる=2020年4月8日、武漢市、平井良和撮影

 8年に及ぶ交渉で最後の鍵を握ったのは、日本の判断だった。

 アジアで圧倒的な経済力を持つ中国に対抗するために引っ張り込んだインド抜きで、合意を優先するかどうか。独自の立場を貫くインドに辟易(へきえき)していた国も多く、日本以外は早々に「インド抜き」の判断を固めていた。最終的に日本も踏み切ったのは、経済成長と地域の安定の両立を期待する東南アジア諸国連合(ASEAN)が、中国とバランスをとるためにこそ日本をまじえた経済連携を求めていたからだ。

 中国への牽制(けんせい)から日本とトランプ政権下の米国が主導してきた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を広げるには、その舞台であるASEANの支持が欠かせない。アジアの国々は日米をとるか中国をとるかの踏み絵を嫌う。日本がインドにこだわって交渉を漂流させれば、地域の経済秩序作りが中国主導になりかねない懸念もあった。

 2012年11月に交渉の立ち上げが宣言され、翌年から交渉が始まったRCEPには、実は「前史」がある。

21世紀初頭、RCEPの源流があった

 21世紀初頭のこと。ASEA…

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