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 タイ南部クラビ県の国立公園が、公園内に生息するヤドカリのために「貝殻を寄付してほしい」と市民に呼びかけている。新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで観光客が減り、繁殖しやすい環境が整ったことで、ヤドカリの生息数が増え、「宿不足」が起きているという。

 同県ランタ島の国立公園が4日、貝殻の代わりに割れたガラス瓶を使っているヤドカリの写真を公式フェイスブックに投稿。「ヤドカリに家を」と貝殻の寄付を求めた。巡回中の職員が、急増したヤドカリの中にガラス瓶やプラスチックボトルを使う個体がいることに気づき、投稿を決めたという。投稿は500回以上シェアされ、11日までに貝殻計300キロが市民から届いた。

 新型コロナの感染防止のため、タイでは国際便の運航がほぼ止まり、島への観光客は激減。政府によると、タイへの外国人観光客数は、今年1~9月に約669万人と前年より8割弱減った。

 ヤドカリは成長に合わせて大きな貝殻へと引っ越しする習性がある。国立公園の担当者は、寄付のために貝殻を買うのはやめてほしいが「手元に貝殻があれば譲ってほしい」と訴える。寄付された貝殻は、段階的に海岸にまく予定だという。(バンコク=乗京真知)