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 街のシンボルだった百貨店が、日本のあちこちで幕を閉じている。欲しいものは指一本動かせば買える時代、デパートという「箱」の役割はなんだろうか。未来の姿を考えたい。

「半歩先」のライフスタイルを 最所あさみ(リテール・フューチャリスト)

 百貨店の未来、ですか? 「百貨店」と「百貨店的な役割」は別物です。インターネットの発達が危機を招いたように言われますが、「百貨店的な役割」はネット時代だからこそ、消費者にとって重要な存在になります。その意味では、未来は明るいはずです。

 私は2012年に新卒で三越伊勢丹に就職しました。周囲の多くがネットに可能性を感じてIT業界に入っていくなかで、百貨店を選んだのは、ネット時代にこそ、リアル空間の価値が高まると思ったからです。

拡大する写真・図版最所あさみさん

 1年半ほどで退職し、小売業の未来を提言する仕事をするようになりましたが、今も百貨店という空間は好きです。気分が落ち込めば日本橋の三越に行く。具体的に欲しいモノが決まっていなくても、そこに行けば何かに出会える吸引力があるからです。

 確かにいま、百貨店の存在は揺らいでいます。若者たちはSNSで憧れのインフルエンサーをフォローし、その人が薦める服や食べ物をピンポイントで買うようになりました。そうなると、買い物するのに百貨店などのリアルの店舗をぐるぐる歩き回る必要はなくなってしまう。

 百貨店側もインフルエンサーを利用し、注目の商品を「バズらせる」ことに必死です。でも「売ること」だけに焦点を絞る限り、結局はオンラインで完結してしまう。

 それでも、百貨店の危機の本質がこうした消費スタイルの変化にあるのか、といえば、私は「むしろ反対ではないか」と答えます。問題は、百貨店側が「売る」ために、「自分たちがブームをつくる」という意識を引きずり過ぎていること。百貨店の原点を思い出す必要があります。

 ネットの発達で、私たちは自分…

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