コロナ危機からの回復度合いが注目された7~9月期の国内総生産(GDP)は、事前の民間予想を上回り、記録的なプラス成長となった。経済活動の再開で消費や輸出の「挽回(ばんかい)」が広がった。ただ、直前の急落から自律反発した面が強く、この先は回復に急ブレーキがかかる見込み。国内外の感染再拡大も不安材料で、景気下支えを政府に求める声が強まりそうだ。
コロナ禍の最初のピークが過ぎた7~9月期は、世界的に経済の急回復が見られた。ただ、国内総生産(GDP)の水準がコロナ前に戻ったのは、主要国では中国ぐらい。多くの国で感染の勢いが再び増しており、本格回復は依然、見通せない。
GDPの規模で世界全体の4分の1を占める米国では、7~9月期の実質成長率が年率33・1%と戦後最高を記録。雇用環境は厳しいものの、現金給付や失業保険の拡充といった巨額の政策支援に支えられ、個人消費が押し上げられた。それでも前期の落ち込み(年率31・4%減)分は補いきれず、GDPはコロナ前の昨年10~12月期より3・5%低い水準にとどまる。
今年春に外出を厳しく制限する「ロックダウン」が広がり、落ち込みが特に大きかった欧州でも、7~9月期はフランスが年率95・4%増(前期は44・6%減)、英国が78・0%増(前期は58・7%減)と急反発。ただ、独仏英伊4カ国のGDPは、昨年10~12月期を5・6%下回る。
日本は4~6月期の落ち込みが米欧より小さかったものの、7~9月期の戻りはやや鈍く、水準は昨年10~12月より4・2%低い。
これに対し、「一人勝ち」なの…
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朝日新聞国際報道部