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 大阪府能勢町の府立豊中高校能勢分校(旧能勢高校)の生徒たちが能勢のまちづくりを考える取り組みに力を入れている。少子高齢化で「消滅」の懸念もあるなか、海外の先進地を視察し、具体的なアイデアを練る。能勢町側も将来の担い手として期待を寄せ、協力している。

 「帰り道が暗いから街灯を増やせないか」

 「電動自転車は貸し出しできない?」

 能勢分校で10月中旬、町などの出資でこの夏設立された地域新電力会社の社長らと「地域魅力化クラブ」の1、2年生6人が1時間半にわたって話し合った。テーマは「同社の収益で何ができるか」。2年の浜颯太(そうた)さん(17)は「実現できるかもしれないから、アイデアがいろいろ出ておもしろかった」。

 クラブはこの春発足した。メンバーは現在22人。夏には町内のカフェや道の駅を取材しており、今後、分校のホームページなどで発信する予定だ。

 能勢町は府の最北端に位置し、面積の8割を森林が占める。人口は9719人(10月末現在)で、15年前に比べ3割近く減った。

 住民の高齢化率は4割に達する。民間シンクタンク・日本創成会議が6年前に示した試算では、2040年までの若年女性の減少率が81・4%と府内で最も高く、「消滅可能性都市」に挙げられた。

 能勢町は将来どうなるのか。「子どもが減る中、高校の役割は国際的な視点から地域に貢献する人材の育成だと考えた」と能勢分校の内田千秋教頭は話す。15年度に文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」に指定されてから、毎年10人程度の生徒が海外の事情を研究する取り組みを始めた。

 これを知った町側は17年秋、「高校生で地域を考えることは将来につながる」として「ドイツを学びませんか」と学校側に提案した。将来への危機感を募らせた町はすでに、地域資源を生かしたまちづくりについて、在ドイツ日本大使館職員と意見を交わしていた。

 環境政策の先進国ドイツは森林の活用が進んでいることでも知られる。

 学校と町は一昨年5月から協力し、同大使館職員らドイツの事情に通じた講師を招いた住民公開講座を開いた。生徒たちは自然エネルギー事業の収益で交通、水道といったインフラを担うドイツの自治体公社(シュタットベルケ)について学ぶなどした。

 昨年9月には生徒4人が上森一成町長らとドイツ西部ブリロン市を訪れた。木材チップを燃やして公共施設に熱を供給するバイオマス施設などを視察し、研究成果は町民らに発表した。参加した3年の中植航太さん(18)は「ドイツのように森林を生かす取り組みが町でできれば」と話す。

 地域魅力化クラブの発足は、まちづくりについてさらに地元と活動を深めていこうという思いの表れだ。上森町長は「子どもたちがまちづくりに興味を持ち、将来的にかかわってくれれば」と期待する。(瀬戸口和秀)

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