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 1月に破産した百貨店「大沼」(山形市)の初の債権者集会が16日、山形市民会館で非公開で開かれた。税金や未払い賃金などの負債だけで6億円を大きく上回り、取引先などの一般債権者に配当はない見込み。経営陣は出席しなかったといい、債権者からは「誠意が見られず、不信感がある」と声が上がった。

 破産管財人の弁護士が公開した報告書によると、負債総額は現段階で約19億4千万円だが、一部未定。このうち破産法上、一般債権よりも優先度の高い債権が約6億6千万円を占める。一方、資産総額は今のところ約1億9千万円と評価し、返済などに充てられる回収額は約1億4千万円。

 会場では開始前、屋外まで債権者の列ができた。集会は30分余りで終了。出席者によると、債権者4人から質問などが出たという。

 「乃し梅本舗佐藤屋」を営む会社の佐藤松兵衛会長(69)は、昨年12月以降の売掛金500万円ほどが支払われていないという。無配当の方針について「大変不満に思うが、結果としてそういう判断になれば何とも言いようがない」。大沼からこれまで何の連絡もなかったといい「今まで付き合いがあった後の破産。世の中の通例上、報告やおわびが必要なことではないのか」と疑問を呈した。

 約300万円の売掛金が未回収という宮城県の水産物加工会社の60代男性は「商品を納めている当時から支払いは滞りがち。計画倒産ではないか、との印象を持っている」と話した。

 次回の集会は、来年3月4日に開かれる。工事代金約350万円が支払われていないという社団法人代表理事の40代男性は「まだまだ時間がかかりそうだ」とため息をついた。

 管財人の弁護士事務所によると、集会には代表取締役も出席する予定だったが、発熱があり欠席したという。同事務所の弁護士は報道陣の取材に「一般債権に到達するにはたくさんハードルがある」と話した。

 この日は、買い物券を発行した子会社「大沼友の会」の債権者集会もあった。報告書によると、負債総額は約4億3千万円。資産総額は約3億5千万円と評価したが、大沼への貸付金などが95%を占め、回収額は約980万円。配当可能性はないという予想だ。