拡大する写真・図版筒美京平さんが手がけた主なヒット曲

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 「木綿のハンカチーフ」「魅せられて」「卒業」「AMBITIOUS JAPAN!」……。作曲したシングル曲の総売り上げ7560万枚。不世出のヒットメーカーが残したものは、何だったのか。作家の関川夏央さん、音楽クリエーターのヒャダインさん、音楽評論家の能地祐子さんに聞いた。

「外国音楽を翻案、自在な才能」関川夏央さん

 筒美さんといえば1970年代を思い出します。酒場の有線放送、パチンコ屋の音楽テープ、街の至るところで歌謡曲が流れていた時代です。大量の流行歌が生み出され、消費されましたが、彼の曲はなんとなくわかりました。

 彼は自分を、芸術家ではなくヒット曲をつくって売る職人だと考えていたでしょう。発想・作詞・作曲・歌唱までを一人で完結するシンガー・ソングライターとは完全に異種。作詞家、レコード会社のディレクター、プロデューサーらと組んだ「日本歌謡曲制作会社」というチームの一員と自認していたと思います。

拡大する写真・図版筒美京平=御堂義乗氏撮影

 そんな彼らは、民放テレビで歌番組の最盛期であった当時、その1クールである3カ月に1曲は大ヒットをつくるという途方もない目標を掲げ、実現していったのです。

 曲がヒットすれば、いくらでも依頼が来る。えり好みせず、来た仕事はみな引き受ける。忙しさこそがエネルギーの源だと考えた彼は、典型的な「昭和の作曲家」でした。

 アニメ「サザエさん」の主題歌も作りましたし、向田邦子さんのテレビドラマ「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」の挿入歌も作りました。

 「時間ですよ」で音域の狭い浅田美代子さんに合わせた「赤い風船」を作ってヒットさせ、郷ひろみさんには、彼の独特の声を生かせる曲「男の子女の子」を提供する。難題、困難を克服することを楽しんでいたように思えます。

拡大する写真・図版関川夏央さん=2019年10月4日、東京・築地、塩倉裕撮影

 多彩・多様・多量。「三つの多…

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