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 新型コロナウイルスの影響で事業を停止、自己破産申請した秋田県鹿角市の旧鹿角パークホテルの土地、建物を、市出身の会社経営者が設立した会社が取得した。市が17日の市議会全員協議会で明らかにした。来春のオープンに向け改修工事に入る予定だ。市は工事費の一部3億円を補助する意向で、12月市議会に補正予算案を上程する。

 市によると、取得したのは鹿角プランニング。福島県で原子力発電所のプラントメンテナンス工事などを手がける会社を営む佐藤順英(ゆきひで)氏(64)が10月に設立した。秋田地裁から任意売却の許可が下り、今月12日に取得した。取得額は非公表で鹿角プランニングがホテル再開後の経営体となる。

 市は、中心市街地にあり、市経済への影響が大きいホテルの閉鎖に危機感を強め、事業停止直後から民間の譲渡先を探し始めた。児玉一市長と面識があった佐藤氏が、「鹿角のために何かしたい」という意向を示したことからホテル事業への参入を打診し、了承を得たという。

 佐藤氏は宿泊施設を備えたレストラン(オーベルジュ)にする予定で、これまでどおり会議や宴会もできる。支配人経験者や料理長を招き、パートを含めた従業員は25~30人を予定している。12月初めに老朽化した建物の改修工事に着手、来年3月~4月中旬にプレオープン、外装工事が終わる6月ごろのグランドオープンを目指す。

 工事費は7億2千万円を見込んでおり、市はうち3億円を「中心市街地中核ホテル再生支援事業補助金」として助成する考えだ。助成方針は市が佐藤氏側に示したという。

 全員協議会で児玉市長は「中心市街地のにぎわいを取り戻せる。佐藤氏の熱意に応えるためにも、市としてできる限りの支援をしなければならない」と述べた。市議からは「3億円は巨額。市民の声を聞くべきだ」などの意見が出た。佐藤氏は30日に記者会見を予定している。

 旧鹿角パークホテルは1980年設立、宴会場を備えたシティーホテルとして花輪地区最大級だった。ピーク時の95年に約7億円の売り上げがあったが、他ホテルとの競合などで昨年の売上高は約2億円に落ち込み、コロナ禍が追い打ちをかけた。(加賀谷直人)

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