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 新潟県と新潟市は17日、県内で新たに33人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。同市西区の介護施設では、入所者ら30人が感染するクラスター(感染者集団)が発生した。県内の1日の感染者数としては最多。県内の感染者は計259人(実人数。再陽性を除く)となった。

 市によると、感染が確認されたのは、西区の介護施設「ケアポートすなやま」の70~90代の入所者29人と同市中央区在住の30代の女性職員。発熱などの症状がある人もいるが、現時点では重症者はいないという。

 10日に入所者1人が発熱。その後、14日に15人が発熱するなど16日までに計23人が発熱した。施設が16日に独自に抗原検査を実施し、11人の陽性が判明。市保健所のPCR検査で29人の感染が確認された。

 施設には計80人が入所し、感染者はいずれも2階の入所者。4人部屋や個室などで生活し、寝たきりの人もいたという。

 女性職員は12日の勤務中にせきが出るなどし、13日に医療機関を受診。市医師会の相談外来で16日にPCR検査を受け、陽性が判明した。

 2階の入所者48人のうち15人は陰性と判明。市は残りの入所者や職員の約120人の検査も進める。デイサービスで通所していた人もおり、接触の有無を調べている。

 新潟市の野島晶子・保健衛生部長は「同じ施設で多発しており、クラスターと認識している」とした。

 市によると、施設では家族などの面会を制限し、発熱者を隔離するなどしていた。クラスター発生の背景について、高橋善樹・市保健所長は「(感染者の)大多数は4人部屋。体を抱きかかえて移動を手伝うなどしていたと思われる。介護をしていく上で『密』は避けられない」と説明した。市は、体が不自由な高齢者も含まれることから全員を入院させる方針。

 クラスター発生を受けて市は17日、対策本部会議を開催。市内の介護施設など計約2千カ所に手洗いやマスク着用の励行などの対策をするよう通知した。中原八一市長は会議で「感染した本人などへの誹謗(ひぼう)中傷は絶対にしないでほしい。冷静な行動をお願いしたい」とした。

 施設を運営する「医療法人社団みよし会」の松田由紀夫理事長は「利用者、本人をはじめご家族、関係機関の方に多大なる不安とご迷惑をおかけしたことに深くおわびを申し上げます」とコメント。施設を閉鎖し、デイサービスを当面休止する。

 また、県は三条市で2人、柏崎市で1人の計3人の感染を発表した。いずれも無症状や軽症という。三条市の50代女性会社員は7日に発熱やせきなどが出て、同市の60代男性会社員も10日に発熱とせきが出て、それぞれ16日に検体を採取し、17日に陽性と判明した。柏崎市の70代女性パート従業員は、県外との往来歴があり、県外の患者の濃厚接触者として検体を採取し、17日に感染が判明した。

 県内の16日時点の入院患者は39人。17日の新たな感染者33人が全員入院すれば計70人ほどになり、県が定める独自の警報基準の一つ「入院病床利用者数60人以上」を超える。だが、23人が出た県警南魚沼署関連の感染者の退院が見込まれるため、県は「基準を超えているが、短期的に解消する」として、警報を出さない方針だ。

 県によると、警報などの独自基準は市中感染の広がりや医療機関の逼迫(ひっぱく)などを前提に定められている。専門家にも意見を聞き始めており、県の担当者は「警報発令は、県民への規制を求めることになる」と発令に慎重な姿勢を示した。

 県が確保した病床は632床(宿泊施設含む)あり、すぐに病床が足りなくなる事態ではない。一方で、県内初となる介護施設でのクラスターが確認され、重症化などのリスクも懸念される。県の中山均・健康対策課長は「今までになく不利な状況。年齢や基礎疾患など重症化する可能性はある。慎重に対応し、新潟市だけではなく、全県一丸になって進めている」と話した。(高橋俊成、杉山歩)