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 造園家で「昭和の小堀遠州」と言われた中根金作(1917~95)の生涯や業績をまとめた本を静岡県湖西市新居町の市民団体が出版した。中根は磐田市出身だが、新居町に約40の庭園などを残している。メンバーは「中根の偉大さを知って欲しい」と話している。

 団体は「湖西市新居・中根庭園を研究する会」(吉元洋美会長)。文化事業に力を入れた旧新居町が1970年代後半、中根に町づくりを依頼。中根は図書館や老人福祉センターの庭園や文化公園、親水公園などの整備に取り組んだ。

 ガーデンデザイナーの吉元さんが「大切な地域資源。広く伝えたい」と一昨年4月に庭園ツアーを企画。関心が高いことから昨年4月に会を結成した。

 中根は県立浜松工業学校(現浜松工業高)を卒業し、今の東京農大で造園を学んだ。天竜寺など京都の庭園に感動し、京都府文化財保護課職員を経て独立。金閣寺庭園の修理や足立美術館(島根県)、カーター元大統領記念館(米国)など多くの庭を造った。

 本は「造園家 中根金作の軌跡―その生涯と遠州新居での景観とまちづくり―」。長男で中根庭園研究所(京都市)の中根史郎所長が序文を書き、1990年に新聞に掲載された自叙伝の記事を収録。中根が手がけた文化財保護事業や設計・作庭した庭、論文・随筆の一覧を載せた。地元関係では新居町や磐田市、浜松市に残る庭やゆかりの地を紹介し、中根の全体像がわかる内容になっている。

 中根所長は「『わしもとうとう故郷に錦を飾れるのか』という父の驚きと喜びの声が聞こえる気がする」と序文に書いている。

 吉元会長は「四季を感じる自然の庭が中根さんの魅力。会では庭園の手入れ活動を続けている。新居を歩いて楽しい町にしたい」と話している。本は213ページで、1600円(税別)。県内主要書店や会のホームページで販売している。(長谷川智)

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