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 宮城県内で確認された新型コロナウイルスの感染者が1千人を超えた。9月に入ってから各地でクラスター(感染者集団)が確認され、この1カ月で倍増。患者を受け入れる医療態勢が逼迫(ひっぱく)する恐れも出はじめていて、県が協力病院に病床の確保を呼びかけている。

 県内では17日、10歳未満~90代の男女32人が新型コロナウイルスに感染したと発表された。県内の感染者は計1027人。

 内訳は、仙台市16人、名取市5人、石巻市と東松島市が各4人、大崎市、多賀城市、松島町が各1人。

 県によるとこの日は、県石巻工業高校(石巻市)の10代の生徒6人と30~40代の教職員の男性3人の感染が分かった。同校での感染は計10人となり、県はクラスターと認定した。

 さらに、仙台市の発表では、「セントケア若林 デイサービス」(同市若林区)で、60代女性職員と80代男性利用者各1人の感染が確認。施設に関する感染者は7人となり、これもクラスターと認定した。

 15日時点の県のまとめでは、県内で計25カ所でクラスターが確認された。接待を伴う飲食店が7カ所と最も多く、次いで酒類を提供する飲食店が5カ所、高齢者施設が3カ所だった。感染者が最も多いのは、10月に確認された仙台市の専門学校で計114人にのぼった。

 クラスターの確認は9月と10月が6カ所、11月が7カ所と、ここ3カ月で相次ぐ。1日あたりの平均感染者数も、9月6・6人、10月10・4人、11月17・4人と急増ぶりが目立つ。

 県は、体調が悪い場合は外出を控えることや、飲酒を伴う懇親会などで感染対策を徹底するよう呼びかけている。(徳島慎也、窪小谷菜月)

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 感染者の急増に伴って、医療機関の病床が逼迫(ひっぱく)し始めている。

 「仙台市の現状として、医療崩壊と言えるような状況にあるのだろう」。13日に自身の感染が分かったという桜井充参院議員(64)はメールマガジンでそう指摘している。

 感染が分かったその日のうちに、「体の痛みは時間とともにひどくなり、せきも激しく」なって、地元の仙台市に入院を希望したものの、ベッドの空きがなかったという。事務所によると、感染が分かって以降は、市内で自宅療養を続けている。

 「なにも分からないまま自宅療養せざるをえない状況は非常に不安」「自宅療養とは言いつつも、ただ寝ているだけで、なんの治療も受けられるわけではない」との戸惑いも記した。

 県内では、患者の入院が必要かどうかは「県調整本部」が判断する仕組みになっている。桜井氏は14日時点で「重篤な状態ではない」とされた。市の担当者は取材に「病床数は厳しい状況にはなっているが、必要な人には入ってもらっている」と説明した。

 病院側にも危機感がある。仙台市立病院(同市太白区)は、感染症に対応した指定医療機関で、専用の病床が八つある。病院によると、専用病床の他にも、いくつかの個室はコロナ患者向けに転用できるというが、担当者は「以前に比べると病床は埋まっている。これからどれだけ増えるのかは分からない。できるところまで対応するしかない」。

 街中のクリニックも同様だ。永井小児科医院(仙台市宮城野区)には、冬が近づくにつれ発熱患者が多く訪れるという。永井幸夫医師(71)は、診療前に電話などでコロナ感染者との接触歴などを確認しているというが、「感染しているかどうかは検査しないと分からない。緊張しっぱなしだ」と明かす。

 県内では16日から「Go To イート」のプレミアム付き食事券の販売が始まった。永井医師は「座席が離れているなどの対策をする飲食店を選び、食事は短時間で済ませてほしい。換気は重要なので、店には厚着をしていくなどの工夫も大切だ」と話す。(井上充昌、志村英司)

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